第八話

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第八話

数十分後、俺達は拠点にいた。  気絶から覚めるのに約十分ほどを必要とした鈴香は、のんきに少年とトランプをしている。まぁ、色々あったが、無事食料と水、あと何故か娯楽も入手できたし、全員無事だからそれでいい。  二人がトランプをしている間に、俺は物資の確認をする。  まずは食べ物。  これらはいわゆる携帯食料や非常食が多くとくに乾パンが大多数を占めていた。賞味期限が気になったが特に切れているとかではなく、食べた感じも密度の高いビスケットのような食感で、まぁおいしい。  干し梅だけじゃ乗り切れそうになかったため、ありがたいことだ。  そして水。    これはとりあえず二リットルのペットボトルを五本分、合計十リットル分の水は確保できた。  水道も通ってるようなのでなくなり次第補給することもできる。ただ敵との遭遇率も考えるなら、レーダーの反応を見てからでもいいだろう。  次に懐中電灯が三つ。  一つは鈴香が持っていたもので、もちろんつく。電池にまだ余力はあるみたいだ。  そしてもう一つ。確認してみると、これもつく。電池は単三電池らしく倉庫からとってきた電池と一致する。つかなくなったら入れ替えればいい。  ラスト一個も確認してみると、これも問題なくつく。電池も単三電池使用のもの。バッチリだ。  あとは武器の点検……スタンガンはまだ使えるようでスイッチを入れるとちゃんと電流が流れる。  しかしこれは充電式のようで充電器のない今の状態じゃ使えなくなったらただの鈍器にしかならない。まぁ、なにもないよりはましか……。 「そういやさ少年」  俺はトランプをしている少年に話しかける。 「ちょっ……ちょっと待って!」  少年は必死にスピードをやっているらしく手が忙しく動いている。  数分後、スピードが終わったっぽく疲れ切った少年が口を開く。 「んで、どうしたん? 凛」 「あー、単純に名前が気になってな。ちょっと前に言ってただろ? 名前で読んでくれって。だから教えてほしくて、名前」  少年は照れながら答えた。 「なんだーそんなことかよ。俺の名前は翔太だ。幼井翔太。今更だけどよろしくな」 「おう」  そうかそうか、少年の名前は翔太っていうのか。これで心置きなく名前で呼べる。  いや、別に馴れ合うつもりはないが仮にも仲間なんだ。区別のためには名前を知るのも大事だろう。 「なーなー。凛もトランプしようぜ。何してたんかわかんねぇけど終わったんだろ? 暇なんだったらやろぜ。なんでもいいから。三人いるならババ抜きにする? それとも大富豪? 七並べもいいなー」    確認も終わって一息ついてる俺に翔太が話しかけた。  
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