年下上司の溺愛は甘すぎる

突然の出会い

「⋯⋯女の人がこんな場所に一人で来てそれでキツい酒頼むなんて、なんか嫌なことでもあったの？」

初対面にも関わらずグイグイと踏み込んでくるがなぜか不思議と嫌とは思わなかった。
それは彼が放つ柔らかい雰囲気のおかげなのか、自然と話してしまいそうになる。

やっぱりテレビでも見るようにこういう場に女性一人で来るのは何か理由があると思われるのか、と新しい発見をした。
確かにキツいお酒を飲みたい時は、何かスッキリしたかったり忘れたかったりする時が多いだろう。

「嫌なことあった時は知らないやつに話したりすると意外とスッキリすることってあるらしいよ」

「初対面の人に？」

「初対面だからだよ。もう二度と会うことないと分かってれば吐き出せることもあるだろ？」

確かに彼の言うことには一理ある気がした。
全く知らない人だからこそ話してしまってもいいのかもしれないと思う。
それにこういう場だからこそ自然と気分も上がり、雰囲気や空間が私を後押ししてくれる気がした。