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「私の話聞いてくれます?お酒のアテになると思うんだけど」
「いいね。そういうの俺好き」
私は名前も知らない彼に今置かれている状況を冗談ぽく笑えるように明るく話す。
私の話を聞いている間、彼も雰囲気を重たくしないように気を遣ってくれたのかたまに笑いながらそしてお酒を飲みながら聞いてくれた。
いつの間にか話に夢中になっていて二杯目のカクテルももうすぐ底をつきそうだ。
そのくらい時間を忘れて彼との会話を楽しむことができた。
「お姉さんみたいな人がいるのに浮気するなんて、そいつどうかしてるな」
「婚約してるのにほんとにひどいよね」
浮気された事実は変わらないし、メッセージを見ても真っ黒なことは明確だったけどそれでもすんなりこの事実を受け入れることはできなかった。
三年半を光輝に捧げてきたんだ。
そんな簡単に忘れて切り替えられるわけがない。
話していたって思い出す記憶はたくさんの幸せがいっぱいだった。
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