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空を御覧なさい。
夜空の蒼は重厚なガラス、もしくは紗のドレスのように、蒼のグラデーションを幾層にも重ね、その中に散らばる星々は上等なビジューのように、キラキラと輝いております。
さらにその中に浮かぶのは、オパールのような見事な満月です。柔く白い光を放つ空の盤は、しかしすぐ下の海の水面に映ると透き通ったリボンのような光の道の留め具。リボンはというとゆったりとした波の揺らめきによって上品に揺れております。
耳を澄ますと、潮騒の、水音のメロディーが静かな旋律を奏でているのが聞こえます。
これからお話しますのは、こんな夜にふさわしい、瑞々しくもきらびやかで、一等純粋な恋の物語。
彼の地に伝わる、一頭の竜と、一人の乙女の物語です。
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