想いは同じ

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「理仁……さん……」 「良かった、本当に……」  真彩から理仁の表情が見えてはいなかったけれど、微かに震える身体と伝わる温もりに少しずつ胸が熱くなっていき、気付けば真彩の瞳から涙が溢れていく。  そんな二人の様子を黙って見守っていた坂木は静かに部屋を出た。  そこへ、 「坂木さん、真彩さんは……」 「大丈夫、もう心配ないよ」 「本当っスか!? 良かった……」  心配して駆け付けてきた朔太郎や翔太郎たちに真彩が無事に目覚めた事を伝え、二人きりにしようと提案して三人はその場から離れて行った。  暫く理仁に抱き締められていた真彩は伝えたい事があって口を開く。 「理仁さん」 「何だ?」 「……書置きをして、勝手に出て行ってしまって、本当にごめんなさい」 「もういいさ。怒ってねぇよ……けどな、もう二度と、しないでくれ」 「はい…………私、耐えられなかったんです。自分のせいで、理仁さんが危険な目に遭う事が」 「ああ、分かってる。もう気にするな」 「でも……」 「それなら俺も言わせて貰うが、俺の身を案じてくれるのは嬉しいが、それでお前が危険な目に遭うくらいなら俺は傍に居て欲しいんだ」 「……理仁さん」 「頼むから、もう二度と俺から離れるな。ずっと傍に居てくれ」 「……本当に、良いんですか?」 「勿論」 「……嫌だって言っても、離れませんよ?」 「そんな事を思う訳ねぇだろ、寧ろ嫌だって言っても離さねぇよ」 「はい、離さないでくださいね」 「ああ」 「…………」 「……真彩、愛してる」 「私も、愛しています」  見つめ合い、ようやく互いの想いを口に出来た二人は、どちらからともなくキスをした。
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