幸せは永遠に

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「わーい! ゆうえんち! はやくのりもののりたい!」  翌日、遊園地へやって来た悠真は入るなり乗り物に乗りたいとはしゃいでいる。 「乗り物を逃げねぇから、少し落ち着け悠真」 「りひと、ゆうま、あれのりたい!」 「あれは悠真にはまだ無理だ。あっちの子供用のコースターなら乗れるぞ」 「あっちがいい」 「あのな悠真、あのコースターはもう少し大きくならないと乗れねぇんだ。今回は我慢しような。乗れるようになったら、また連れて来てやるから」 「……わかった」  悠真が乗りたいと指さした乗り物は身長がある程度ないと乗れない物なので小学生以上とされているが、そんな事をすぐに理解出来ない悠真は渋っていたものの、理仁の説得によって子供も乗れるコースターを乗る事になった。  その様子を眺めていた真彩は、理仁ならば悠真にとって素敵な父親になってくれると改めて確信していた。  途中昼食を挟んだり、おやつを食べるために休憩をしたりしながらアトラクションやショーを楽しんだ真彩たち。  陽も暮れかけた夕暮れどき、話をする為にも落ち着いたアトラクションで締めようと観覧車に乗る事にした。 「うわー! たかい! すごい!」  最近高い所が好きな悠真は観覧車に乗れてテンションが上がっていた。窓の外を眺めている悠真を横目に、真彩と理仁は目配せをしながら話すタイミング探っている。 「ねぇ悠真、ちょっといいかな?」 「なあに?」 「悠真はさ、パパがいなくて、やっぱり寂しい?」 「……うん。おともだちはみんなパパがいて、たのしそうだから」 「そっか。あのね、もしも……これから悠真にパパが出来たらどうする?」 「え? ゆうまのパパ?」 「そう、悠真のパパ」 「うれしい! パパどこにいるの?」  血が繋がっていないという事は幼い悠真に話しても理解出来ないだろうと省く事にして、ただ、パパが出来たら嬉しいかという事だけを尋ねると、物凄く喜ぶ悠真。  そんな悠真を前に再度顔を見合せた真彩と理仁。ひと呼吸おいて話しを続けたのは理仁で、 「――俺が、悠真のパパになると言ったら、嬉しいか?」  少し遠慮がちに悠真に問い掛けた。
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