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大皿に青菜のおひたしが山になっており、漬け物はどんぶりに入れられて登場する。
幾久子さんがカレー皿にご飯を大盛りにすると、その皿を受けとり、各自でカレーをかけていく。
「あら? もっとカレーをいれたほうがいいわよ?」
まだ幼い戦神候補生たちは、ご飯を大盛りにしてカレーを控えめにしていた。
「毒味から……じゃなくて、味見をしてから」
「幾久子さんは加減を知らないしさ」
「失礼ね! 今日のカレーはかなりいいできなのに!」
私の番になり、幾久子さんは同じくらい大盛りにした。
「あのっ! 私は少しで大丈夫です」
「なーに言ってるの。朝から、なにも食べてないでしょ。これくらい食べられるわよ」
私の次の人が、私よりずっと大盛りによそわれたのを見て、この量が普通量であったのだと知った。
「なあなあ。ここって戦神の下宿だよな? 俺たち、相撲部屋にでも入門した?」
「戦神じゃなくて、力士になるのかも」
そんな声が聞こえてきたけど、食事が進むにつれてご飯の山がどんどん減っていた。
カレースパイスの香りは食欲をそそる。
早い人はすでに二杯目に入っていた。
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