第11話 シレネの魔法の謎

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第11話 シレネの魔法の謎

 私たちは次の基地の拠点を探しに旅に出た。 まずはあの町から離れて、それからグリジアの干渉を受けていない町を見つけないと。  ある程度5人とも落ち着いて、ちょっとした木の下で休憩している最中、私はあの時の言葉が気になりマリィに聞いた。 「マリィ、あの時の"四大魔術"ってやつ、何?」 マリィは何か驚いたかのように口をポケーっと開けていた。 「シレネ 四大魔術 知らないの」 あ、この世界で四大魔術って常識なんだ。 四大魔術は前世の記憶で何となく察するが、何の属性があるかは知らない。  するとミモザが察したようで、 「仕方ねぇよ、シレネは物心ついた頃には教会にいれられてたからな。」 「あ だからね 分かった 説明する」 そう言うとマリィは単語ごとに説明してくれた。 「この世界 主な魔法 4つある 炎魔法、水魔法、風魔法、土魔法。」 なるほど、異世界でもよくあるやつか。 確かミモザが炎魔法、マリィが風魔法で、リヤシが土魔法だよね。 「あ!あたいは水だよー!」 えっと、ハクレが水魔法っと…。  …あれ?私は何魔法? それを聞こうとするとマリィは話す準備に入っていて、 「シレネ 魔法 おそらく 希少魔術」 希少魔術…!これは分かる!きっと特別な魔法だ! 「どうりであの岩に押し潰されそうになっても助かったんだな。それで、一体なんの魔術なんだ?」 リヤシが不思議そうに私を見てくる。 「さ、さぁ…魔法が使えるようになったのが昨日のことだし…。」 ミモザは頷きながら、 「昨日覚醒したばっかの奴が使いこなせているのがすげぇよ。コントロールすら1ヶ月はかかるっていうのに。」 そ、そうなの!? やば、前世のオタクの知識で何となくやったら出来ただけなんだけど…。 って顔がニヤついちゃう…ダメダメ…平常心平常心…。  するとハクレがマリィに興味津々な顔で、 「マリィ!それで!シレネの希少魔術って何魔術なの!」 そうそれ!私も気になってる!ていうかみんなマリィの方見てるし…。 マリィは息を吐いてある程度空白の時間があった後、やっと口を開いた。 一体…私の魔法は……! 「…分からない」 「「「「分からないんかい!!!」」」」 分かってる雰囲気で話してたからてっきり知ってるもんかと思ったよ! でもそうなると本当に属性は何だろう。  するとミモザがとある提案をした。 「じゃあさ、この場で見せたらどうだ?何かわかるかもしれないし。」 それを聞いたハクレは目を輝かせて、 「確かに!シレネちゃんの魔法見てみたい!」 ちょ、近い近い…。でも何かヒントになるならやってみようかな。 そう思い手に魔力を込めようとした。しかし… 「…魔力切れで出ない…。」 まだ魔力が回復してなかった。  すると周りの反応がざわざわし始めた。 「魔力は時間経過で回復するはず、シレネの魔法は回復が遅いのでしょうか?」 「でもあれから時間経っているし、少しは回復してもいいんじゃないか?」 「シレネちゃんの魔法、ますます謎が深まったね…。」 「シレネ 魔術 綺麗だった」 なんか…私が悪いことしてるみたいで気まずいんだけど…。  ざわざわしている中、私は何もできず眺めているとリヤシが切り上げてくれて 「まぁとにかく、シレネの魔法は俺たちとは違って特殊だ。きっと回復の仕方も特殊かもしれない。」 リヤシの言うことに一理ある。それに納得したのかみんな頷いていた。 さすがリヤシ、あの個性的な二人をまとめるだけあってリーダーシップ性あるなー。  感心していると空から不審な音が聞こえてきて、その場で目を向けた。 するとそこには硬そうな皮膚をした翼をもつ生き物がこっちに近づいてきてた。 リヤシはすぐそれに気づいて私たち4人に聞こえるように言った。 「ワンバーンだ!!構えろ!!」
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