第2話 脱出

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第2話 脱出

 まずはこの教会から脱出しよう。 自分の部屋から出てひたすらに長い廊下を 音を立てないように走る。すると、 「誰!?」 と叫ばれた後に襟を掴まれた。   まずい、見つかった…。 おそるおそる振り返ると、そこには… 「あなたは…ミモザ…」 ミモザ・マンサネラ。色黒で銀色の髪に青色の瞳。 シスターとは思えない露出高めな服装。 彼女の記憶ではあまり接点がない。名前を知ってて、怖いってイメージがあるくらいだ。 「こんな夜中に人と会うなんて…しかもシレネじゃん。何してんの?」 「…脱走です。ここから出ます。」 嘘ついても仕方ない。正直に答えた。 するとミモザはどこか諦めた顔をして、 「やめといた方がいい。ここは監獄みたいなところだから。」 「監獄…?」 教会だからすぐ脱走できると思ってた。けど監獄と聞いて、そう簡単にはいかないと察した。 「ここの外は教祖、グリジア様が生成したバリアで隔てている。通り抜けることはできないし、触れたらグリジア様にバレて、最悪お陀仏だ。」 グリジア様のことは記憶でわかる。相当な破天荒で、裏切りは拷問か処刑するという、悪魔だ。 それでも、私は教会にはいたくない! 「私は教会にいるよりマシだから。ここから出る方法を探す。」 そう言い残し去ろうとした。すると、 「待て、だったらオレもいく。」 「え…?」 あまりの意外な言動に足を止める。 そういえば、なんでここにミモザがいるんだろう。 「オレも脱走しようとしてたけど、ずっと悩んでた。 死ぬかほんの少しの希望にかけるか。けどあんたを見て決めたよ。」 そういってミモザは私にかけ寄り手を出す。 「だから、オレもついてきていいか?」 正直警戒はしてる。けどミモザの表情は真剣で、1人でやるよりマシかもしれない。 「…私でよければ。」 そう言って彼女の手を握った。 握ったミモザの手はとても暖かく、何故か安心するような気がした。 「さて、早く出入り口から出ましょう!」 そう言って行こうとすると、ミモザに引き留められ、 「いや、どうせそっちもバリアが張られてる。裏庭に出て無いところ探そう。」  確かにその方が可能性があるかもしれない。 そうと決まれば行こう… バサっ 突然私の意識と共に視界が暗くなった。  しばらくして意識を取り戻した。 起き上がるとそこは知らない部屋にいた。 隣には横たわったミモザがいて、急いで体を揺さぶった。 何回か揺らすと彼女は目を覚まし、起き上がった。 「起きたな、裏切り者め」 太く低い声がして、声がした方に目をやる。 そこには黒いローブをまとった者がいた。
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