第5話 脱走作戦

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第5話 脱走作戦

※なんか張り切って書きすぎました。  なので頑張って読んでください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  上手くいくかは分からない。 でもやらないと、私たちは死ぬ。 「ミモザ、作戦がある。」  私は小声でミモザに話しかける。 「それって…勝てるのか…?」 「いや、倒す方法じゃない、逃げる方法だよ。」 「逃げる…?もしかして窓から…?」 そう、窓からシールドを壊して出るつもりだ。  すると、グリジアがその会話が聞こえていたようで、 急にあざ笑い始める。 「ハハハハ!! ここから逃げる?無理だな?この外は俺のシールドが貼られている。  それにそれを破ったとしても、ここは4階。落ちたら死ぬぞ?」  4階ですって…! それは考えていなかった。く…どこ行こうとしても死ぬ…。 「さぁ…今謝れば拷問で許してやるよ。それとも無駄に抗って死ぬか?」 八方塞がりで逃げ道はない。グリジアはそう思い楽しそうに笑っている。 どうする…!4階から落ちたら死ぬかもしれないし、生きてても重症でまともに動けなくなる。 何かないのか…!  思考がまとまらない中、ミモザが私の腕をつついてきた。 「シレネ、オレならその高さ何とかなる…。」 「え…?」 ミモザの予想外の言動に私は目を丸くする。 「どういうこと…?」 「大丈夫、今話せばグリジア様に聞こえる。オレに任せろ。」 グリジアはまだあざ笑ってて聞こえてない。  ミモザの自信に溢れた表情に、私は信じることにした。 「分かった、信じるよ。ミモザ。」    まずはあの窓に行くのに、グリジアの目からどうやって掻い潜るか…! そのまま行けば殺されるかもしれないし、下手に動けない。 私の魔法は今さっき使えるようになったばかりで使いこなせてない。 この時、前世ならどうする? 前世のように機械や科学の技術があって、敵の目を掻い潜る方法…。  …あれか? 私の頭の中に一つのものが思いついた。 でも魔法で再現出来るのか…? いや、やるしかない。私の想像力で作ってみるしかない。  私は自分の手を後ろにして想像する。 「ミモザ、私が合図したら目をつぶって窓に走って。」 小声でミモザに伝える。ミモザは不思議な表情をするがすぐ頷いてくれた。  必ず成功させる…!そう決意したあと、私は想像する。 さっき掴んだ感覚で手に魔力を込める。見えないから分からないが今は球体の魔力が出来てるはず。 そこから大きさを変えず、中に光が詰め込まれるように考える。 とにかく密度を上げる。破裂した時に大きな力になるように…!  すると、グリジアが私が何かしてることに気づいて、私の方を見てきた。 これ以上は出来ない…この一瞬で私たちの運命が決まる。  私は自分の溜めた魔力をグリジアに向けて投げ飛ばした。 「今だ!!爆ぜろ!!」 そう言うと私の作った魔法はグリジアの近くで大きく爆発し、 部屋中を輝かせた。 「な、なんだこの光は…!」 そう、閃光手榴弾だ。 閃光手榴弾のように眩しくはないし、音も出ないけど、グリジアは十分戸惑っていた。  その隙に私たちは窓に向かって走った。 窓を無理矢理こじ開けて外に触れようとすると、そこに見えない壁があった。 これを壊さないと殺される。 そんなプレッシャーを感じながらも絶対に外に出たいと思い、さっきと同じように魔力を込める。 見えない壁が反発して押し倒れそうだ…! すると、ミモザが私の肩を持って支えてくれた。 「シレネ…壊せ!!」 ミモザのために…!壊れろ!!! 「はぁああああ!!!」 すると見えない壁、グリジアのシールドがガラスのように音を立てて破裂した。 しかし、魔力の使い過ぎなのかめまいがして、足が崩れた。 まずい…逃げないといけないのに…。  するとミモザが私を抱えてくれて、窓のふちに立った。 「よくやった、シレネ!あとはオレに任せな!」 そう言ってミモザは窓から飛び降りた。 私はミモザを信じて落ちないように抱きついた。  するとミモザは教会の壁を蹴って、森のほうへ落ちていくように軌道を変えた。 そして私を片手で支えて、もう片方の手で木の枝を持ってぶら下がった。 しかし、木の枝は重みに耐えきれず折れてしまい、そのまま地面に向かって落ちていく。 「ミモザ!」 「大丈夫!歯を食いしばってしっかり掴まりな!」 私は彼女の言うとおりにして、無事を願った。 すると風景が一回転して、気が付くと地面に着陸していた。 一瞬何が起きたかわからなかった。  なんと、ミモザは地面で体を回転させて受け身をとっていたのだ。 「え、えぇ!? ミモザそんなに運動神経よかったの!?」 「まぁね、これでもシスターの仕事サボって鍛えてたからね。いつか外に出れた用にね」 す、すご…ミモザがめっちゃカッコ良すぎる… シスターの仕事サボってたのは置いといて… 「ってこんなとこにいる場合じゃないよ!はやく逃げるよ!!」 「あぁ!」 そして私たちは森の奥へ逃げた。 いつかグリジアを倒す…! そう思いながら。 一方その頃… グリジアはシレネの魔法に翻弄され、やっと元に戻る。 窓は開けられて、シールドが壊されている。 慌てて下を向いたが2人の姿は見えなかった。 あの高さから飛び降りて生きのびるとは…! 「…小賢しい…!あの2人を、必ず殺す…!」
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