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ご両親に何か失礼なことをしてしまっただろうか。
でも、そこまで言われることをしたかと聞かれればそんなことはないし、婚約者の彼からもそうは言われていなかった。
要は、単純に私のことが気に入らなかったのだ。
婚約者は必死で説得したらしかったけれど、やがて疲れが見え始めていた。私は“実は認められていなかった”という事実にショックを受けながらも、彼を励ましつつ、どうしたら認めてもらえるかを必死に考えていた。
そうこうしているうちに、婚約者から話があると言われた。
「ごめん…もう無理だ」
この“無理”というのは、説得が“無理”だったということ、それと同時に結婚も“無理”になった、ということを意味していた。
婚約者は両親を説得できなかったから、私と別れることを選んだのだ。
悲しくて悔しくて、泣いても泣いても足りなかった。
“良いところが1つも見つからない”って何だろう…。
結局彼が私を選ばなかったのも、そういうことなのだろうか…。
だったらこの2年半はなんだったのだろう。
そんな想いでいっぱいだった。
その後、事情を知った家族や友達がすぐに駆けつけれてくれ、寄り添い、励ましてくれた。
そしてしばらくは仕事に集中しようとしていたのだけれど、自分が考えている以上にショックが大きく、また仕事が多忙を極めていたこともあり、気が付くと身体に様々な症状が出始めていた。
立ち眩みや耳鳴り、時には話が理解出来ない、など、明らかに日常生活に影響が出てしまうようなものだった。
休みを取って病院に行くと、ストレスによる症状だということが分かった。
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