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コンビニは高いし…スーパーは先週の悪魔の騒ぎで潰れたし…。
頼れるのは商店街しかない。
のそのそと歩いていれば商店街がすぐ目の前まで見えてきた。
「あ!時雨ちゃん!まーーた依頼ゼロだったのかい?」
「いえ、依頼はありました。今日はその帰りです。」
私のことを昔から可愛がってくれている商店街のコロッケ屋のおばちゃん。
すごく優しくて、こうやって見かけたら声もかけてくれる。
……少し一言多いけど。
「このミニコロッケひとつ。」
「はい!これおまけ!」
「いつもありがとうございます!」
おばちゃんは相変わらず優しい。こんな私にコロッケをいつもおまけしてくれる。
その優しさに胸が暖かくなる。
そんなことを考えながら袋を受け取ろうと手を伸ばした刹那
グシャッ
コロッケが潰れる音ではない。
目の前のおばちゃんの頭が、頭が、
「えっ……ぁ…」
頭が齧られる音。
おばちゃんの背後に突然現れた悪魔が大きな音を立てて頭にかぶりついていた。
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