西島香澄

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「詩美はどうする?」 「どっちでも」 「なら行こうよ」 「別にいいけど」 私が話しかけ無愛想に答える彼女の名前は松乃詩美。 詩美も私の数少ない親友の1人だった。 高1の女子とは思えない尖った雰囲気のある女子だった。 基本、不機嫌そうにしていることが多く、歩く時もポケットに手を突っ込んでいると言ったふてぶてしさがある。 髪が生まれつき赤っぽく少し癖っ毛のショートカットは良く言えば宝塚の男役で悪く言えばレディースの人のようだった。 そのうえ目つきが悪くあまり笑わない。 話しかけてもぶっきらぼうに返ってくることが多い。 悪気はないのだろうけど、口数が少ないだけにハッキリ物事を言うとキツく聞こえる時がある。 だからクラスの男子も女子も用事がなければ詩美には話しかけない。 「じゃあ決まりね」 「どこ行くんだ?」 「私は香澄ちゃんと一緒ならどこでも」 舞香はそう言うと、私と腕を組んで寄り添ってきた。 舞香と詩美とはバイトがない日は、学校の帰りに時々遊びに行ったり食事に行ったりする。 遊びと言っても高校生がするようなものと言ったら、カラオケとかゲームセンターに行く程度。 食事だってMACとかスタバとかだ。 「詩美は行きたいところはある?」 「うちはどこでもいい」 詩美は乗り気じゃないように聞こえるけど、決してそのようなことはなく、誘えば必ず一緒になって遊びに行く。
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