千夜一夜

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ぎしっ  レースカーテン越しの街の明かりに雅樹の不安は的中した。 (ーーー木蓮)  木蓮を包んだ羽毛布団を剥ぐと柔らかく白い肌が顕れた。無言の時間にベッドの軋む音とシーツの擦れる音だけが聞こえる。  木蓮は恥ずかしさから両手で顔を覆ったがそれは呆気なく雅樹の手によって開かれた。初めは優しく唇を喰んでいたがそれは段々と情熱的に口元を覆い涎の糸が引き舌が差し込まれた。 「ん」  木蓮は呻き声を漏らしながら舌を絡ませ雅樹の首を掻き寄せた。これまでにない淫靡な音が脳髄を白く曇らせる。頬が火照り自然と脚が動くのは缶チューハイのせいでは無い。 (熱い)  雅樹の厚い胸板が木蓮の小ぶりな胸に触れその部分から互いの熱が伝わる。唇が首筋を伝い肩甲骨の窪みを舐め上げた。 「・・・・!」  太腿を這い上がる指先が脇を撫で上げ胸の膨らみに辿り着いた。乳輪を撫で乳首に触れると木蓮の体は弓の様に跳ねた。首筋に舌を這わせ木蓮に跨った雅樹は両胸を強弱を付けて揉みしだき始めた。 「やだ、見ないで」 「見たい」  軽く摘むと木蓮は上半身を(よじ)り逃げようとした。 「動かないで」 「む、無理」  乳房を持ち上げ窄めた唇が乳首に吸い付いた。 「あ!」  初めて木蓮から嬌声(きょうせい)が上った。艶かしい声に雅樹はその場所を執拗に攻め、茂みへと手を伸ばした。ところがその場所に触れようとした途端に木蓮は身体を硬く縮こめた。 「どうした」 「な、なんでもない」  指先が膣口に触れたが濡れている気配は無い。 「おまえ、大丈夫なのか。止めるか」 「やめ、ない」  雅樹は木蓮の両膝を抱え上げると茂みに顔を埋め掻き分け突起を探し出した。両膝が小刻みに震えているが感じている訳では無さそうだ。
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