北へ

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 多くはルーファスがヴィオレーヌをエインズワース辺境伯城に迎えに来る際に同行していた騎士や兵士たちだという。ジョージーナによると、ヴィオレーヌの力を目にした彼らはすっかりヴィオレーヌの信者のようになっているらしい。……それを聞くと、先が思いやられる。 (でも、マグドネル国の残党兵、か……)  野盗の襲撃を受けたことを思い出して、ヴィオレーヌは眉を寄せる。  マグドネル国の残党兵が相手ならば、野盗よりはるかに強いだろう。 (またあんな風に大怪我をしない保証はないわね)  大怪我になると、ポーションでは癒せない。聖魔術で作れるハイポーションならば可能だが、ヴィオレーヌが作るハイポーションは効果が高すぎて取扱注意に認定されている代物だ。作れるからと言って騎士や兵士たちに配るわけにはいかない。 「師匠、ハイポーションより少し効果を落としたものって作れますか?」  ミランダたちに聞かれないように、ヴィオレーヌはこそっとアルベルダに問いかけた。 「効果を落とし――あー、お前さんのあれはなあ……。そうじゃのぅ、薄めるのは一つの手かもしれんな」 「薄める?」
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