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ミランダが「申し訳ございません」と謝罪をする。
アラベラが謝るとは思えないので、あちらはみんな放置していた。
ルーファスのおかげで場が落ち着くと、こほん、と気を取り直したように国王が咳ばらいをする。
「あー、この場で何なのだが、ルーファス、来月から少し、北の砦に向かってくれないか?」
「北の砦ですか? あそこは、戦の爪痕が深い場所ですよね。何かありましたか?」
「復興の進みが遅い。北の砦の辺りは冬になれば雪に覆われるだろう? せめて冬を越す場所だけでも用意しておかなければ、今年の冬が大変なことになるんだが……、近くにマグドネル国の残党兵が住み着いているという情報がある。そのせいで、いまだに小競り合いが続いているそうだ」
「そんなことは初耳ですよ」
「私のところにも先日上がって来たんだ。どうやらマグドネル国の残党兵も、身を潜めて態勢を整えなおしていたらしいな。こちらからマグドネル国側にも苦情は入れるが、残党兵など知らないと言われるのがおちだと思っている」
「あなた……、それはつまり、ルーファスを戦地へ向かわせるということですか?」
さっと王妃ジークリンデの顔が青ざめた。
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