北へ

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 アルベルダの言葉を聞いたミランダがすっ飛んできてヴィオレーヌの手元のポーションを確かめた。 「見た目は同じですが何か違うんですか⁉」 「えっと……効果がさらに強く出るように作ってみたのよ。効果のほどはわからないし、効果が違うものを市場に卸したら混乱するだろうから、これは出さないつもりだけど」 「出さないんですか⁉」 「わたしが、周りの人に配る分だけよ。……ミランダも、売らないって約束してくれるなら一本あげるわ」 「う、売らない……ぐっ」 「いらない?」 「い、いります! もちろんいりますとも! 売れないのが残念ですが、いただかないという選択肢はございません」 (ないんだ……)  苦笑しつつ、ヴィオレーヌはミランダにポーション(改)を一本渡す。  荷物を運んで戻って来たジョージーナとルーシャにも一本ずつ。アルベルダにも一本渡しておいた。これはアルベルダの籠の中に入れておく。 「普通のポーションより効果が高いはずだから、大きな怪我をしたりして、どうしようもないと判断したときに使ってくれるかしら? 普段はお守りのように持っていてくれると嬉しいわ」
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