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真剣な色をしていたシルバーグレイの瞳が、ふっと柔らかく細められる。
「ヴィオレーヌ」
たぶん、今までで一番優しく名前を呼ばれた。
何も言えないで見つめ返していると、ルーファスがさらに甘い声で告げる。
「俺は、お前が好きだ」
通り抜けていった風がまた戻って来て。
ルーファスの、綺麗な金色の髪が風に乱されていくのを、ヴィオレーヌは目を見開いたまま、息も忘れて、ただ見つめ返した――
第一部 完
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