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しかし記憶の中にある乳母よりも十歳……、下手をしたら二十歳くらい若い気がする。
一体どういうことなのだろうかと茫然としたヴィオレーヌは、乳母に抱き上げられてさらに衝撃を受けた。
「ヴィオレーヌ様、お腹がすきましたか? それともおしめですか?」
よしよしと優しく揺らされる。
「ぁ、うー」
やはり口からは赤子のような声しか出ず、ヴィオレーヌは衝撃のあまり固まってしまった。
どうやらヴィオレーヌは、十八年前――生まれたばかりのころに、巻き戻ってしまったようなのだ。
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