やり直し王女、夫の生殺与奪の権利を握る

5/24
前へ
/280ページ
次へ
 しかし記憶の中にある乳母よりも十歳……、下手をしたら二十歳くらい若い気がする。  一体どういうことなのだろうかと茫然としたヴィオレーヌは、乳母に抱き上げられてさらに衝撃を受けた。 「ヴィオレーヌ様、お腹がすきましたか? それともおしめですか?」  よしよしと優しく揺らされる。 「ぁ、うー」  やはり口からは赤子のような声しか出ず、ヴィオレーヌは衝撃のあまり固まってしまった。  どうやらヴィオレーヌは、十八年前――生まれたばかりのころに、巻き戻ってしまったようなのだ。  
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

108人が本棚に入れています
本棚に追加