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なんて斜に構えて、格好良い(?)理由をくっつけて、実はただ遊びたいだけの私は、とてもじゃないが男友達と縁をきるなんて考えは出てこなかった。
かといって、どうしようもなく面倒くさい彼氏にも私なりの愛を持っていたので、自分から別れるという選択肢はなく、なんとか誤魔化しながら遊んでいた。
そう、要するに秀明も、その手放すには惜しい逸材の一人だったのだ。
そんな勝手な私情があるものだから、秀明に恋愛相談されても熱心に相手をしてあげる時間をとることも出来ず、彼氏にバレなそうな校内で、波美が一緒にいなくて、私に他の友達と遊ぶ予定がないタイミングを見つけては話を聞いてあげるに留まっていた。
秀明は大事な友達の一人だったから、もっと役に立ってあげたいという気持ちも多少はあったのだけれど…。
その後、波美は受験も終わった卒業間近に片思いのモテ男から告白されて付き合い始めたので、当然ながら秀明の片想いも終わりを迎えた。
卒業までの短い間に、秀明の失恋を癒やすという名目で友人達と何度も食事に行ったり遊びに行ったりして、私たちは高校最後の時間を目一杯楽しんだ。
大学時代はもちろんのこと、社会人になってからは学生時代以上に彼氏以外の男友達と遊びに行くようになった私は、それでも卒業後も3年間面倒くさい彼氏と続いたけれど、結婚を真剣に考えていたという彼氏に最後は愛想を尽かされて結局は別れた。
同じ大学に進学した秀明とは4年間ずっと一緒に遊んでいたし、卒業してからも時間が合えば頻繁に一緒に遊んでいた。
高校時代の波美への失恋を引き摺っていたのか、それとも彼氏がいても波美のことを諦められずにいたのか、とにかくずっと彼女を作らなかった秀明は、私が彼氏と別れる直前になって、就職先で彼女が出来たと言っていた。
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