エピローグ

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 リュリュに心配かけないように、ちゃんとしないと。  わかっているのに、自分に何度言い聞かせても、上手く笑えない。  ……生きたいと思うことは、人として間違っていないはずだ。  そのための手段を思いついたなら、誰だって実行しようと思うだろう。  だからわたしは、人として当たり前の感情に沿って行動しただけなのだ。  そう何度も自分に言い聞かせて、視察に行く以前の自分に戻ろうとするけれど、どうしたって戻れない。 「食欲がないなら、お庭にお散歩に行って来たらどうですか? ここ数日、ポポとも会っていないでしょう? 今まで二日と開けずに会いに来ていた花嫁様が来ないって、ポポが淋しがっていましたよ」 「そう、ね」  庭を歩けば、少しは気分転換になるだろうか。  でも、これまでのようにポポを撫でまわして無邪気に笑える自信が、どこにもない。  わたしはふらふらと立ち上がり、部屋から出る。途端に見つけた、廊下の壁に貼られている矢印に泣きそうになった。  こんな身勝手なわたしのために貼られた庭までの案内。わたしが迷子にならないようにと、クラヴィスが用意してくれたもの。
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