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そんなイケメンが、シャツのボタン全開というけしからん格好でわたしの隣に寝そべって、わたしのうなじとか頭とかをなでなでしている。
あわあわあわと震えるわたしに、目の前のイケメンが目を細めて小さく笑った。
「おはよう、ラフィ」
「ぴぎゃあああああああああ――――――‼ ラスボスでたあああああああああ‼」
そしてわたしは気絶した。
☆
幸か不幸か、わたしはこの世に生まれ落ちたときから「前世の記憶」と言うものを持っていた。
それでも、この世界が何なのかに気づいていないときは幸せだった。
わたしは貴族でもお金持ちのお嬢様ではなかったが、優しい両親から向けられる愛情を一身に受けてすくすくと成長し――このまま両親のように幸せな恋愛結婚をしたいなあと夢見ていた五歳のころ、それは突如として訪れた。
わたしの目の前から、両親が突然いなくなった。
魔物討伐で訪れていた騎士団と魔物との争いに巻き込まれて命を落としたのだ。
絶望するわたしは親戚の家に引き取られたが、わたしを養う金がないという理由で、隣町の神殿に売り飛ばされた。
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