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思わずムッとして、わたしはじろりとクラヴィスを睨みつけた。
「わたしはみんなに感謝されるような、清らかで優しい『聖女様』じゃないんです!」
「感謝されるかどうかは置いておいて、俺もほかの者たちもお前を清らかで優しい聖女だとは思っていないぞ」
「……え?」
「当り前だろう。お前は清らかで優しい聖女というよりは、食い意地の張った我の強い女だからな。どこの世界に、清らかで優しい女が、撫でまわしたいと言う理由だけで嫌がるポポを追い回す? 清らかで優しい聖女以前に、淑女としてもいろいろ問題だと思うが」
ぐはあ!
想定外のダメージを受けて、わたしは思わず顔をひきつらせた。
思い返してみれば確かに……。クラヴィスの顔を見て泣き叫ぶは気絶するわ、目の前のお菓子やご飯にがっつくわ、もふもふしたいと言う理由で嫌がって逃げまどうポポを追い回して捕まえて、彼が息切れするまで撫でまわすわ……うん、改めて考えると、わたし、いろいろヤバイ女だ。
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