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「俺もほかのものも、お前が自分勝手だろうと今更驚かないし、逆にお前の言うところの清らかで優しい聖女とやらになられても戸惑うだけだ。別に俺たちはお前に、そんな役割を求めていない」
「でも……!」
「第一、お前の本性なら、ここに連れてくる前に知っている。知りもしない女を連れてくるはずがないだろう」
クラヴィスはあきれたように言いながら、わたしの頭を撫でる。その手つきはとても優しくて、緊張していたわたしの体から力が抜けていく。
「確かに、最初にラフィに興味を持ったのは、お前が魔物を逃がしていると知ったからだ。だがそれだけでお前をここに連れてくるほど、俺は単純ではない。これでも猜疑心は強い方だからな」
「じゃあ、どうして……」
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