第一章

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2040年5月10日12:42 午前 大林「、、、はっ!」 私は、玄関で気絶していた。 体に力が入らない。熱中症か? 戸塚「大林刑事、だいじょうぶですか!?」 私は、、、この場面を知っている。 でも、そんな、そんなはずは。 大林「ありがとう、戸塚。」 もう昼休憩は終わりだった。 どのくらい気絶していたのだろう。 戸塚「お昼休憩、終わりましたね。」 大林「そうだな、あのさ、、、」 戸塚「?」 私は最近見る”変な夢”のことを話した。 話しているうちに、あの日の記憶が体を駆け巡った。 ===== 一山「俺はさ、夢は人の記憶だと思ってんだ。」 大林「?」 一山「だから、その"変な夢"はお前じゃない大林の記憶ってことだよ」 ===== 戸塚「なるほど、その夢は大林刑事じゃない大林の記憶ってことですね。」 ややこしいな。 まぁでも、そういうことになるんだよな。 もう、、、なんか。 初めに戻ったようだ。 あの頃に、、、戻ったような。 すべて、、、すべて覚えているんだ。 体が、心が、目が、耳が、鼻が。 大林「戸塚、、、明日、誰かが死ぬ。私の近くにいる誰かが。」 あの頃と同じなら、私の近くの人間が死んだと報告が来る。 あの頃と同じなら。 戸塚「え、、、急にそんなこと言われても。」 大林「14年前の、大林連続殺人事件をもう一度見たいのか?」 戸塚「では、捜査を依頼します。」 もう、、、あの頃と同じ結末にはさせない。 もう、誰も殺させない。 これが最後だ、大林。 ----- 2040年5月11日4:12 午前 防げなかった。 わかっていたのに。 依頼したのに。 動かなかった。 変わらなかった。 戸塚「、、、刑事。」 大林「変わらなかった。」 今朝、有田課長が亡くなった。 葬儀をしてから、司法解剖に回すらしい。 結局、14年前と同じなんだ。 ちっぽけな人一人。 私は、もう二度とあの結末をたどりたくない。 大林「課長の代理として、私が捜査一課をまとめる。」 戸塚「はい。」 春日「おいおい、お前が犯人じゃねぇのかぁ???」 春日圭人(かすがけいと) 男性 B型 35歳 春日刑事が言う。 この人は、少し口調が荒いが内面は優しい。 成田「あまり、大きい声を出さないでください。」 成田泉(なりたいずみ) 女性 O型 33歳 成田が場を収める。 この人は、春日刑事の職場友達。 捜査をするときはいつも二人で二つだそうだ。 神木「はぁ、大林関係とはまだ決まっていない。騒ぐな。」 神木真也(かみきしんや) 男性 B型 35歳 神木が状況をまとめる。 神木は、春日とは犬猿の仲らしい。 有田「俺が死んだって!?」 有田幸司(ありたこうじ) 男性 O型 34歳 有田課長ではない。 この人は、戸塚の仕事仲間だ。 優秀な成績を残したことがあるらしい。 まぁそうだよな。 私は、"殺人一族"の一人なのだから。 あぁ、また"最初から"か。
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