第一章

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2038年12月10日12:05 午前 麻布警察署にて― タカシ「...。」 熊谷「考え事ですか?」 熊谷巡査が隣に座る。 そして、コーヒーを分けてくれた。 熊谷「ベンチで考え事なんて、らしくないですね。」 タカシ「そうですかね。」 昼休憩、大林一族について考えていた。 大林刑事は、前に"父親に何かを託された"と発言していた。 託されたものはきっと、一族を変えることだろう。 もしくは、終わらせること。 タカシ「そういえば朝、電話が来たんですけど、、、。」 今日の10時ごろに北電話のことを熊谷巡査に話した。 熊谷「ダ・カーポ、、、リスタート、、、。」 タカシ「これ、一族が関係していると思いませんか?」 絶対そうだ。 こんな意味深な電話...必ず関係あるはず。 小宮「イタズラじゃねぇのぉ?」 こいつは小宮恵一(こみやけいいち)。 僕の同僚、そして友達。 タカシ「大林刑事がいたら、何かを察するハズ。」 小宮「大林刑事ねぇ、その人も大林一族だろ?敵視してもいいだろうに。」 こいつ...大林刑事のことを何も知らないくせに...!!! タカシ「お前は、大林刑事の何をしてるんだぁぁあぁ!」 タカシ「大林刑事が自分の一族をどれだけ憎んでいるか...     どれだけ...どれだけ悲しい思いをしたと思っているんだあぁぁ!」 僕は小宮の胸倉を思いきりつかみ、自動販売機に押し付けた。 小宮は必死に抵抗し、僕の手を払った。 小宮「俺は、大林のことなんざ知らねぇよ!お前とは違うんでなぁ!」 崩れたスーツを直し、早歩きで帰っていった。 熊谷「まぁ、理解されなくて当然ですよ。」 熊谷「差別で、社会問題になっていますからね。」 タカシ「大林刑事は...頑張っているのに。」 争いをしていたら、昼休憩は終わりの時間だった。 そうか、大林刑事は全員敵、、、か。 そんなの、、、おかしい。 大林刑事は高知で差別を受けていないだろうか。 あぁ、うまくいっているんだろうか。 静かに、仕事へ戻った。 僕は、D.Cの意味、リスタートの意味を調べた。 ダ・カーポの意味 イタリア語で「頭から」を意味し、 音楽用語では「楽曲の最初に戻る」という意味らしい。 楽譜で曲の初めに戻って演奏することを指示する語で、記号はD.C。 リスタートの意味。 主に「再起動」「再始動」「再開」という意味の用語らしい。 調べたからと言って、分かったことは少ない。 だが、大林刑事なら分かるはずだ。 再始動...再開...初めから。 大林一族に関係あるはず、、、一族を再開、、、? 事変をもう一度するつもりなのか、、、? でも、、、ダ・カーポは何だ? 初めから...。 なんだろう、分からない。
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