第一章

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2040年5月8日2:35 午前 タカシ「なるほど...。」 僕は今、大林一族について調べている。 どうやらこの一族は、代々天才を生んできた一族らしい。 比較的、頭の回転が速く、器用で、賢い。 初代は大林一ノ瀬...一ノ瀬!? あの、、、事変の時の爺! たしか、一ノ瀬とかって呼ばれていたよな!? アイツが、"初代大林"すべてはあいつが、、、。 天才なら、、、なんであんなテロを起こしたんだ。 なんであんなに敵対するんだ。 何か、、、何かあるはずだ。 天才...天才...。 無意識にキーボードへ指が進む。 天才とは。 極めて独自性の高い業績を示した人物や、 若いのにあまりにも高い才能を示した人への賛辞的形容。 その才能が歴史や社会に影響を残すに至ったレベルの人物を指すことが多い。  独自性が高い...。 若いのにあまりにも高い才能...。 つまり...孤独。 なるほど...大林一族は孤独だったのか。 天才だから、凡人には理解できなかったんだろう。 そういうことだったのか。 でも、敵対する意味はあるのか? なぜ、麻布台ヒルズを爆破した? なぜ、インフラを狙わなかった? なぜ、素人だらけの集団にした? なぜ、大林刑事を狙わなかった? 重要な組織を破壊したといえば、 大臣を殺害し、インターネットを切断したくらいだ。 もっと、もっとあっただろう。 警察署 消防署 病院 鉄道 ガス会社 水道会社 なぜ、攻撃しなかった。 なんで、麻布台ヒルズだけを爆破したんだ。 東京タワーもだけど。 天才の考えることはわからないな。 大林一族について考えていたらきりがない。 テレビでも見るか。 [女子高生の天田由衣さんの殺害事件から15年―――] あぁ、あの事件か。 いじめっ子がいじめられっ子に殺された。 きっと、我慢の限界だったのだろう。 殺したのは鈴木十五木(すずきといつき)。 変わった名前だ。 それでいじめられたのだろうか。 かわいそうに。 鈴木は今、どんな人生を歩んでいるんだろうか。 2040年5月8日5:45 午前 気づけばもう朝。 大林刑事が異動してから事件が少ないな。 平和でいいんだけど。 プルルルル タカシ「はい、麻布警察署。」 [君、忘れてるよ?] また、こいつか。 いや、これはチャンスだ。 いろいろ情報収集できる。 タカシ「あんた、一族の一人か?」 [不気味な仮面の男、逮捕してないだろ。] あ。 廃工場にいた、不気味な仮面をした男、、、!!! そういえば、、、! タカシ「おい!お前は誰だ!」 プツ――― くっそ、電話切りやがった。 でも、あいつは敵だ。 不気味な仮面の男、、、何かをするつもりなのか? 大林刑事、、、どうすればいい。
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