第二章

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「久しぶりだな、大林。」 大林「ふざけるな!」 奴の後頭部に、銃を向ける。 そんな、そんなはずはない。 奴は...こいつは! 終身刑だったが、事変で突然現れ、落下死したはず...! お前は...! 大林「一山が生きているハズがない!」 セーフティーを外す。 一山「おいおい!銃なんか出すなって!運転に集中できないだろ?」 そんなわけない...! こいつは偽物...! 生きているはずない! 大林「お前は、、、一山は死んだんだよ!」 戸塚「一山!?」 あれ...なんで泣いているんだ。 一山は...大林一族で...みんなを殺して...それで...。 なんで...こんなに悲しいんだ。 五十嵐を殺せと命令したのも一山なのに...。 なんで...涙が...。 一山「助けてやったんだ!銃を下ろせ!」 あぁ...。 そうだ...そうだ。 俺は...無駄な感情を持ってる。 でも...それでも! お前は...罪を償わなければならない...! 偽物でも! 大林「一山!とりあえず警察にバレないところまで行ってくれ!」 一山「おうよぉ!」 大林「戸塚、銃を下ろせ。」 戸惑った表情で、戸塚は言った。 戸塚「ですが、こいつは終身刑だったハズの!」 真剣なまなざしで戸塚を見た。 そうすると、ゆっくり銃を下した。 井上「私はお前を仲間とは思っていないからな。」 不満そうに陸将が言う。 一山「わぁってるって!」 面倒くさそうに一山が言う。 大林「それで、どこへ行くんだ。」 どうやら、一山が言うには 大川村という所まで行くらしい。 大川村は高知県の山奥・嶺北地区にある村で、 人口わずか400人の小さな村らしい。 高齢化率が40%を超えているにも関わらず、30歳未満は約70人だそう。 周囲を標高千メートル級の山々に囲まれており、 農業・林業・畜産業が中心とのこと。 一山「そこなら、大林だからって狙われたりしないだろう。」 大林「なるほどな。」 2040年5月11日6:34 午後 一山「よし、ここが大川村。」 1時間20分ほどで、ついた。 追っては来ていない。 ここでしばらく暮らそう。 大林「お前は、どうするんだ。」 一山「俺は、ここに住んでる。」 一山「バレないからな!」 そうか...何歳になっても吞気だなぁ。 あの頃が懐かしいよ。 お前は相棒だったよな、一山...。 井上「どうする、住まわせてもらうか?」 大林「そうですね、住人にお願いしましょう。」 戸塚「はい。」 そして私たちは、坂本さんの家に住まわせてもらうことになった。 あー、借家の家賃払ってないな。 まぁ、いいか。 坂本「まぁ、好きなだけゆっくりしな。」 50代のおじいさんだ。 大林「ありがとうございます。」
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