第三章

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2040年5月20日8:17 午前 特別隊の者たちによる、一山の確保。 一山は、警視庁の地下へ幽閉されていた。 現在は、一山の幽閉された部屋の前。 [お前か、一山は。] [いや、大林十田か?] ガラスの向こうに、身動きの取れない一山がいる。 自衛隊特性の拘束機械で、 全身をきつく拘束しているため、脱出は不可能。 [どうだ?今の気分は。] 一山「最っ高だね!」 ガラス越しに陽気な声が聞こえる。 ふざけたやつだ。 [我々自衛隊、確保くらいはできる。] [なめてもらっちゃぁ困るよ。] 挑発をしてみる。 一山「ま、"どうせ"こうなる運命なんだケド。」 井上「随分と陽気だな、一山。」 [...ッ井上陸将。] 井上「挑発はよしたまえ、君は私が育てた兵士なのだから。」 [すいません。] 2040年5月20日8:22 午前 井上「さて、君たちは何が目的なのかな?」 最初は、やさしく質問する。 一山「もう知ってるでしょ?」 声、顔で分かる、何人も見てきた。 コイツ.....多分、いや絶対、質問に答える気がない。 こうなったら...アレをやってみるしかないか。 井上「あのサイトを立ち上げた理由は?」 井上「大林一変を陥れた理由は?」 井上「一族が天才を産もうとする理由は?」 何も帰ってこない、彼の笑顔すら消えた。 一山「何なの?君たちは。」 もうダメだな。 井上「おい、アレをしろ。」 [え...わかりました。] 戸惑った表情で、一山の隣の部屋へ入っていった。 2040年5月20日8:25 午前 数分経ったあと、声が聞こえてきた。 [準備okです。] 井上「よし、やれ。」 そう発言した後、謎の機械音がした。 その後、一山は悶絶した。 一山「う"わ"ぁ"ぁ"ぁ"!」 そう、この拘束機械には電流が流れる。 この部屋は拷問部屋と言ってもいいだろう。 こんなことはしたくないが、こうでもしないと話さないからな。 井上「どうだ?話す気になったか?」 垂れ下がった頭を持ち上げ、微笑する。 そして、放った言葉。 一山「話さねーよ。」 2040年5月20日8:30 午前 井上「そうか...。」 まぁ、こいつはいつか大事な役目を担うだろう。 今殺してしまってはダメだ。 ちょうどいい、帰ろう。 大臣のところへ行かなければ。 [もう一度しますか?] 井上「いや、いい。私はもう戻る。」 監視は特殊隊に任せるとして、 一族はまだ動かないのか? 夜か...朝か...昼間か。 分からない。天才ってのは面倒だ。 歩きながらスマートフォンを手に取り、 大臣との通話を開始する。 井上「大臣、今から向かいます。」 プツ―――。
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