第一章

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「なぁ、どうするよ。」 「やめてくれ...。」 「なぁぁぁあああぁ!!!」 「やめろぉぉぁぁぁああああ!」 グチャァ 嫌な音がする。 バサッ ----- 2040年5月9日11:52 午前 大林「、、、っ!」 何か”変な夢”を見た気がする。 テレビがつけっぱなしだ。きっと、私がつけたまま寝たんだ。 ニュースがやっている。”女子高生殺害事件”だとか。 大林「はぁ、、、。」 戸塚「おはようございまーす。」 気分が悪い、顔を洗おう。 洗面所で顔を洗った。自分の顔が”殺人鬼”みたいだ。 既視感、、、既視感。 戸塚「あっはは!顔真っ青ですよ?殺人鬼みたい!」 大林「殺人鬼か、もう関わりたくないね。」 あぁ、そうだ。 そこら辺のコーポを借りたんだった。 今日からここが私の家、、、か。 大林「てか、なんで戸塚がここに。」 戸塚「いいじゃないですか。」 よかねぇよ。 大林「飯食いに行くか。」 戸塚「ラーメン行きますか!」 ----- 近くのポツンと立っている小さな昔ながらのラーメン屋へ来た。 食券、、、ではない。 戸塚「塩ラーメンにバタートッピングで!」 大林「醬油一つ。」 はぁ、勝手に注文しないでほしいね。 戸塚「そういえば、刑事って無口ですよね。」 それがどうした。 戸塚「なんか、あったんですか?」 ふつう聞くか?それ。 戸塚「それに、髪の毛ボサボサ。」 その言葉、結構殺傷率高いぞ。 大林「あぁ、友が自分と関わったことで死んでしまったんだ。」 大林「でも、その理由はつい最近なくなった。」 何を言ってるんだ、私は。 戸塚「わかんないですけど、理由がないなら 普通に過ごせばいいじゃないですか?」 私は、この言葉で救われたような気がした。 そうだ。 皆、許してくれたんだ。 もう、苦しまなくていいんだ。 「ヘイお待ちぃ!塩バターと醬油でぇい!」 戸塚「あぁ!大林刑事は、麻布でどんなバディと過ごしたんですか?」 大林「そうだな、旧友の息子かな。」 戸塚「旧友の息子かぁ。」 麻布での仕事は楽しかったなぁ。 人生の分岐点だったような気がする。 戸塚「大林刑事は、大林一族の一人なんですよね? なんで人を殺さないんですか?」 大林一族は人殺し、、、な。 大林「私の父は普通の人間だった ―」 異常だったのは、母のほうだ。 母は大林一族だった。 代々、大林一族に籍を入れる者は洗脳してきた。 だが、私の父親は洗脳ができなかったらしい。 その洗脳とは、一ノ瀬の思想であった。 一ノ瀬の思想を、頭に刷り込ませる。 いわゆる、危ない宗教みたいな感じだ。 そうして、母と交際し、中に子を作ったのだ。 この時から、少しずつ夫婦間で思想のずれが生じてきた。
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