第一章

8/13

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
2040年5月11日4:26 午後 高知県警に着いた。 今からすることは、この紙切れを見せ、 大林の動きを説明し、捜査に協力してもらう。 ===== 井上「奴ら(おおばやし)は普通の人間じゃない。」 ===== まったく、その通りかもしれない。 前回、奴らは計画に失敗したときの"最後の切り札"は爆死だった。 死に対する恐怖がない。 だが、一部の奴らは恐怖していた。 十田以外は。 ===== 十田「"あれ"しかないんだ!」 圭吾「うわぁぁぁぁぁああああ!!!」 土浦「いやだ、、、!!!死にたくない!!!」 ===== 十田はきっと、洗脳がちゃんとできていたんだろう。 圭吾、土浦は洗脳が行き届きっていなかった。 相手は洗脳で、犯罪者を作る。 洗脳には時間がかかる、洗脳は二段階で行われる。 第一段階はコントロールを目的とした条件づけであり、抵抗力を弱めさせる。 第二段階は、改心を目的として強化し、説得する。 奴らから時間を奪えば、これ以上殺人鬼は生まれない。 だが、そんなことは現実的に無理だ。 受付で高知警察署だと知らせ、 今は、"ある人"を待っている。 戸塚「その人とは、仲いいんですか?」 大林「少しだけ、な。」 そんな話を長椅子に座りながら話していると、 向こうから、男性が歩いてきた。 井上「何の用だ、大林。」 戸塚が席を立って、自己紹介を始めた。 戸塚「私、戸塚政宗と申します。高知警察署の者です。」 井上が突然の自己紹介にびっくりしたが、直ぐに落ち着いて話し出した。 井上「まぁ、場所を変えよう。」 ----- 私たちは、会議室を貸し切り大林一族の話を開始した。 大林「これは、宣戦布告だ。大林一族は、次こそ容赦しない。」 井上「だが、現在、大林連続殺人事件と同じことが起きているんだろ?」 井上「なら、それ以上の被害は出ないんじゃないのか?」 しばらくの沈黙を後に、戸塚がつぶやく。 戸塚「いや、出ると思います。」 井上「根拠は。」 戸塚「ない。」 井上「確信は。」 戸塚「ない、ですけど!」 戸塚「大林一族は、必要以上に警戒したほうがいいと思います。」 井上「...100点だ。」 戸塚「?」 そう、井上は私側の人間だ。 井上は大林一族の異常さを知っている。 私と同じように、友を殺されているから。 同じ気持ちなのだ。 井上「大林一族は普通の人間じゃない、これを肝に銘じろ。」 戸塚「あ、、、はい。」 2040年5月11日4:56 午後 井上「私には弟がいる、今年でやっと30になる。可愛い弟でな。」 井上「そして、私の仕事仲間は大林一族によって殺害された。」 戸塚「...!」 井上「だから、もう誰も死んでほしくないんだ。」 私と同じ境遇。 私と同じ気持ち。 戸塚「そうだったんですね。」 大林「では、作戦会議に...。」
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加