浴衣

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浴衣

 六月の初め、箪笥から浴衣を引っ張りだした。鴨居にハンガーで陰干する。  そんな私に君は「大きい花火、見せてやりたいのになぁ」と笑う。  いつか私も火の粉を浴びて「玉屋〜!」って叫びたい。  ごめんね。雪女だから夏の暑さは苦手でして。  テーブルには、花と金平糖を閉じ込めた氷柱花が飾られている。
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