惜しむ

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惜しむ

 病院の入り口に停まった彼の車に乗り込んだ。  私はおくるみを抱く腕に緊張を残したまま、「あーあ、退院しちゃった」と背もたれに体を預ける。 「病院にまだいたかった?」と聞いてくる彼はちょっと不機嫌だ。  バレたかな。  この子と二人きり、お腹にいる頃と地続きの夜の終わりを私が惜しんでるってこと。
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