ドレスを脱いだら〜俺様課長に捕まって、もう逃げられない〜

亮と美月

「美月さんならもっと違う答えが出ると思ったんだけど」
「私の一目惚れは、拓さんの顔がかっこいいから好きになったとか、そう言うのとは違います」
「ふーん、そうなんだ。もしさ、俺が2人の関係を認めないって言ったら？」

ドリンクのストローをくるくる回して遊んでいるが、きっと、私のことを試しているんだろう。

亮さんのいけ好かない態度に、だんだん腹が立ってきた。

まだ会うのは2回目なのに、何でこんなことを言われないといけないんだろう？

……それに、何となく亮さんの胸の内が見えてきたので、鎌をかけてみた。

「亮さん、そうやって拓さんに女性が近づく度に、牽制したり試したりしてきたんですね」
「……どういうこと？」
「だって、なんで女性達が『一目惚れ』していることを亮さんが知ってるんですか？」
「それは、兄さんはかっこいいから、すごくモテるし……」
「ふふ。亮さんって、拓さんのことが大好きなんですね」

くるくる回していた手がピタッと止まった。

想定と違うことを言われたからか、核心を突かれたからなのか、どちらか分からないけれど、突然亮さんの態度が一変した。

「ハァッ？　あんた、俺に認めないって言われたから、そんなこと言ってるのか？」

「……違います。そもそも、拓さんが誰と付き合うか、誰を好きになるか、それを決めるのは拓さんです。拓さんが必要としてくれる以上、私はそれに応えたい」

「ハハッ　必要とされてるって、自信があるんだな」

ふぅ、とため息が出てしまう。ここまで人が変わると、二重人格なんじゃないかなと疑ってしまう。

私もつい強気に出てしまったが、もう後には引けなかった。