ドレスを脱いだら〜俺様課長に捕まって、もう逃げられない〜

亮と美月

「はい。お互いすごく好きなのに、変に気を遣ってる感じがして……お節介ですが、ぜひ2人で面と向かって話してください」
「……本当お節介だよ」

ふて腐れたような態度をしている。自分から呼び出しておいて、この失礼な態度は何なんだろう。

突然スマホに着信が来たので見てみると、着信元は拓さんだった。

「もしもし、拓さん？」
『美月、今どこにいるの？　家にいないみたいだから心配したよ』
「亮さんに捕まって、今マンション近くのファミレスにいます」
「…っおい、兄さんには言うなよ！」
「もう、まだ意地張ってるんですか？」
『美月、亮も一緒にいるのか？　すぐ行くから待ってて』
「わかりました。亮さん、拓さん今から来るって」
「俺は帰る」
「え、顔合わせなくて良いんですか？」
「いい、俺はまだ2人の仲を認めた訳じゃないからな。じゃあな」

（……全く何なのかしら。もっと素直になれば良いのに！）

出口に向かうと、もう亮さんがお会計を済ませてくれていた。出る直前で、息を切らした拓さんが近づいてきたことに気づく。

きちんと連絡していなくて、申し訳ないことをしたな……。

「ハァ、ハァ……亮、帰っちゃった？」
「はい、拓さんごめんなさい。ちゃんと連絡できなくて」
「いや、良いんだ。アイツが強引に連れ回したんだろう？」
「そんな感じです。それにしても拓さん、本当に亮さんに愛されてますね。びっくりしちゃった」
「え、どういうこと？　何話したの？」