突然の温泉旅行

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突然の温泉旅行

雲一つない、晴れ渡った空の土曜日。 私は、拓さんの運転で草津に向かっていた。 『転籍祝いに温泉旅行に行こう』と以前約束していたこともあって、私の誕生日祝いも兼ねて旅行に行くことになった。 7月7日が私の誕生日なので、平日の7月8日に夏季休暇を1日取って、三連休にした。 2人でゆっくり国内旅行できるなんて、凄く嬉しい。ゆっくりさせてもらえるかは分からないけれど。 ちなみにアドプランに転籍してから、まだあまり日は経っていない。なぜ拓さんがそこまで旅行を急いだのかは、正直あまり分かっていなかった。 拓さんに聞いたら『善は急げ、ってことで』と笑っていた。 亮さんとの関係が原因で拓さんが少し焦りを感じていることに、この時の私は気付いていなかったのだーー。 「拓さん、草津遠いですよね。本当運転お任せしちゃってすみません。私、東京に来てから完全にペーパードライバーなんですよね……」 「まぁ東京に住んでたら、大体電車移動で済むもんな。俺はこまめに休憩挟めば大丈夫だから」 「……拓さんは草津に行ったことあるんでしたっけ。随分前ですか?」 「あぁ、子供の頃に家族で行ったと思うんだけど……かなり前だからうろ覚えだなぁ。美月は無いって言ってたよね?」 「はい!なのでとっても楽しみです! 最近スマホも機種変したので、一眼レフは置いてきました。草津で何食べようかな〜っ」 「プハッ 本当美月は、お酒だけじゃなくて食べることも好きだな。温泉について調べなくていいの?」 「あ、そうですよね、でもついグルメのページ見ちゃうんですよね……見てて幸せな気分になるというか……」
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