突然の温泉旅行

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「あぁ、夕方にもやってるみたいだから、後で見にいこうな。夜は湯畑もライトアップされてて綺麗だろうし、湯畑のあたりをゆっくり見て回ろう」 湯船に浸かれる位の温度に調整して、早速湯船に浸かる。 「ふあぁ〜〜〜」 「いやー気持ちいいな〜」 二人して、気の抜けた声が漏れてしまった。特に拓さんは、久しぶりの長時間運転で疲れたのだろう。束の間、無言になって、湯船に身体を預けた。 顔を少し拭こうとすると、水滴が目に入ってしまい、もの凄くピリピリして驚く。 「拓さん、今、目がピリピリして凄く痛いです!」 「はは、草津温泉は酸性泉だから、ピリピリするんだよな。おぁ、俺も目に沁みて痛い!」 「あはは、大丈夫ですか? でも、本当気持ち良いですね〜」 「あ、あのハンギングチェアで一回休もうっと」 「拓さん、もう休憩してる。しかも全裸でハンギングチェアって、爽快感ありそうですね」 「あぁ、美月もこっち来る?」 「なんか始まりそうだから、やめておきます」 「ナンダヨソレ。遠慮しなくて良いんだぞ?」 「あはは!拓さん、カタコト!」 2人で長旅の疲れを癒した後は、早速、湯畑の方に移動した。 湯畑の独特の匂いに「温泉地って感じ……!」と興奮してしまった。 そして、少し遅めのお昼ご飯に「おっきりこみうどん」と「ひもかわうどん」をそれぞれ食べて、お腹もすっかり満たされた。 しっかりうどんを食べたというのに、私の食欲は止まらない……! 「拓さん、あそこの揚げ饅頭食べましょう! え、肉まんも美味しそう……」 「プハッ 美月、凄い食べるじゃん」 「甘いものは別腹です」 「ハハッ! 真顔で言うなよ、しかも肉まんは甘くない!」
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