突然の温泉旅行

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「え〜 じゃあ肉まんじゃなくて、ソフトクリームにしようかな。とにかく、揚げ饅頭を私は食べますよ!」 拓さんといると笑いが絶えない。会話のテンポも合うけれど、無言になったとしても2人でいる空間は心地良い。 揚げ饅頭屋さんの前に足湯があり、せっかくなので浸かることにした。夏と言えど、草津は高地にあるので意外と過ごしやすい。 「足湯も良いですね……はぁ、本当温泉好きだなぁ。東京は凄く暑いけど、夏の草津は意外と過ごしやすいですね」 「だよな。ずっと異常気象だなと思ってたけど、ここは避暑地だな。……あ、そうだ。裏草津エリアの方も散歩しようよ」 「行く!」 2021年に整備されたエリアが「裏草津地蔵エリア」というらしい。足湯だけでなく顔湯、手洗乃湯というのもあった。 一通り見終えた後は、湯もみショーの時間に合わせて会場に移動する。湯もみショーで観光気分を味わった後は、早めにホテルに戻って休むことにした。 「結構歩き回ったよな」 「そうですね、また後でお部屋の露天風呂入りたいです」 一休みしてからホテルのディナービュッフェでご飯を食べて、またお風呂に入り、部屋で寛ぎながらウトウトしてしまう。 「ねぇ美月、この部屋フリードリンクでシャンパンが一本ついてるから、足湯しながら一緒に飲まない?」 「飲む!!」 「はは、威勢が良いな。本当酒好きだよな」 そう言って、2人で夜風に当たりながら足湯をする。シャンパングラスを寄せ合って、乾杯した。 「美月、今日で27歳も最後だな。どんな一年だった?」
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