歪んだ恋心

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歪んだ恋心

週明け火曜日、出社して秋田さんや一木君、大塚さんに挨拶する。 「お休み頂きありがとうございました! これ、草津土産のお菓子です。良かったら食べてください」 「あ、ラスクだ〜!ありがとうございます!」 「向原さん、彼とのデート、楽しめた?」 3人とも私が拓さんと付き合っていることを知っているからか、ニヤニヤしながら答えを待っている。 「……はい、実は私誕生日だったんですけど、すごく充実した旅行になりました」 「「「ヒュー!!」」」 さすが『松本親衛隊』の皆さん。なんというか、拓さんが絡むせいか、すごくノリが良い。 「というか、向原さん誕生日だったんスか?? おめでとうございます!」 「おめでとうございます! 誕生日に温泉旅行、最高ですね〜」 「たっぷり英気を養っただろうから、お仕事しっかり頑張りましょうね!」 「はい!頑張ります!」 また忙しい日々の始まりだ。最近は、中小企業のお客様も担当に持たせてもらうようになり、早速広告の提案をしたりとやり甲斐も増してきた。 果林ちゃんから再びランチの誘いが来た時は、特に深く考えずに承諾した。 *** 「果林ちゃん、久しぶり!」 「美月さん、お久しぶりです! 今日はご飯何にしましょうか〜」 果林ちゃんと社食で会うのは、数週間ぶりだった。 ランチに選んだのは、果林ちゃんがクリームパスタ、私が四川風汁無し坦々麺だ。 「美月さんのも美味しそう〜! 私パスタが好きで、パスタの頻度が高くなっちゃうんですけど。坦々麺でも良かったなぁ」 「暑いとピリッと辛いもの、食べたくなっちゃうよね」
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