歪んだ恋心

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「え!!? どういうことですか!?」 「これ、見てみて」 秋田さんがサッとスマホを差し出す。 SNSに投稿されてたのは、1枚目が亮さんに抱きしめれた時の写真、2枚目が拓さんが亮さんに掴みかかってる時の写真だった。 ぱっと見は私かどうか分かりにくいが、明らかに昨日揉めた時の様子だった。拓さんと亮さんの顔ははっきり映っている。 写真に添えられた文章には、こう書いてあった。 『弟と浮気してる瞬間を目撃。本当に信じられない。自分がそんなにモテると勘違いしてるのか。兄弟が可哀想で仕方ない』 コメント欄には、 『うわー修羅場』 『怖ーー』 『え、この兄弟、芸能人並みにイケメン。こんなにイケメンな2人手玉に取るとか、この人悪女なん?』 『この女、最低』 『あれ、これって松本拓だよね? 昔、起業家界隈で有名だったけど、今は残念な感じ?』 『松本拓の弟ってことは、あの松本コンサルティングにいる人か。兄弟揃ってイメージダウンだわ』 とか、散々なことを書かれていた。 「何これ……浮気なんてしてないし……それに、2人が悪く言われてるなんて……」 「やっぱりそうかぁ。すごく悪意があるよね、この投稿」 「誰がやったんですかね? 松本さんもこの弟さんも凄くモテそうですし、やりそうな女はいっぱいいそうですけど……それに、このSNSアカウント、捨てアカですかね? ほとんどフォロワーいないし。  最初にリポストした人を特定できれば、そのアカウントの人が犯人ぽい気もしますけど」 「いやー本当、女はやることがえげつないスね。女性不審になりそうス。松本さんと向原さんを別れさせたい人っぽいスけど」 「まだ女性と決まった訳ではないけど……でも」 「「もしかして……」」 秋田さんと大塚さんの声がハモる。二人はある人に思い当たったようだ。私が予想する人ときっと同じ人だろう。
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