歪んだ恋心

12/14
前へ
/165ページ
次へ
「何だよこれ、誰がやったんだ? こんなことして何が目的なんだよ」 「これを投稿したであろう女性と、拓さんが今日一緒に歩いている所を見てしまって……多分、今も二人で一緒にいるんだと思います」 「あー……なるほどね。美月、安心しろ。その二人は何もない。むしろ逆で、今頃兄さんが戦ってるんだと思うよ」 「戦う?! え、どういうこと? まさかベッドの上で……?」 まさかの悪い予想に、ぷるぷると体が震えそうになる。それを見て亮さんがプハッと吹き出し、大笑いし始めた。 「アハハッ! んな訳ないだろ。ったく、笑い過ぎておかしくなりそうだ。美月、お前の思考は飛躍し過ぎだし、どんだけ兄さん信用ないんだよ」 「え、ごめん、戦うってどういうことか分からなくて。だって、腕組んで歩いてたんだよ?」 「まぁ、お前らもちゃんと腹割って話したら? 俺も後で、兄さんと面と向かって話してくるよ」 「うーん、昨日は拓さんも一人になりたいって言って何も話せなかったし、朝も顔合わせる前に出社しちゃってて……ちょっと今日は帰りづらいな」 「あーそうか、まぁSNSの件が収束するまで、誰か友達ん家で匿ってもらったら? つか、友達いないの?」 「友達……本当思いつかないなぁ……あ、南さんに連絡してみようかな!」 突然、前職でお世話になったUIUXデザイナーの南さんを思い出した。 「じゃあとりあえず、電話してみたら?」 「そうしてみます」 「……いつもだったら、兄さんに近づく奴は俺が牽制するのに、今回は必要なさそうだな」 「え、なんて言いました?」 「いや、何でもない、電話してて良いから」
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6599人が本棚に入れています
本棚に追加