2人の出会い

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「え、あのアドプランホールディングスさんですか!? すごい、広告に携わってる人なら、知らない人はいない会社ですよ」 「ナナさん、うちの会社知ってるの? ホステスで知ってるのは珍しいね。もしかして、同じ業界で仕事してる?」 先ほどまで全く気乗りしていない様子だった松本さんも、突然食いついた私を面白そうに見ていた。 「昼間はIT系の企業で、広告枠の法人営業をしてるんです。でも、ターゲティング広告というより、バナーを掲載したりする純広告に近くて…  アドプランさんは最近、動画広告の会社を買収したり、全てのチャネルを押さえていて本当に凄いなと思っていて。私もいつか働きたいなと思うくらい、憧れの会社です!」 松本さんの真剣な眼差しと視線がぶつかって、つい自分の話をし過ぎたことを後悔する。やっぱりホステス向いてないかも。 「……すみません、ついペラペラ喋り過ぎました」 「いや、俺は仕事の話が大好きだから、正直嬉しいよ。ここでそういう話ができると思ってなかった」 「そうですか?」 一緒に来店されていた方々はミカさんが対応していて、すっかり気に入られているようだ。 あまり1人のお客様だけを対応するのはよくないかもしれないが、少しでもこの時間を楽しんでもらえるよう集中することにした。 「松本さんはどんなことをされてるんですか?」 「俺は広告事業部の一課っていうところにいるんだけど、結構大手企業の案件とか対応してるかな。  元々うちの会社ってWEB広告で成り上がった会社なんだけど、最近じゃ色んなチャネルの広告の相談を受けてて、どんどん大手広告代理店のプランナーと同じような仕事になってきてる。  必要とあれば、タクシー広告とか、交通広告とかも提案するし」
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