いつも2人で

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「……あの1日で解決に持っていったなんて、本当に凄いですね」 「問題が大きくなる前に片付けた方が、後々楽だからな」 「なんだか仕事みたい」 「いや、美月が関わることだから、いつも以上に頑張ったよ。何かご褒美くれる?」 「私に出来ることなら」 ……と言ってしまったが最後、後でこの言葉に自分が首を絞められるとは思わなかった。 「美月に出来ることなら何でも良いの?」 「え? はい」 「二言はなし?」 「はい……?」 「じゃあ、一泊二日の間はたっぷり楽しませてもらうから」 この言葉の意味を理解した私は、サーッと血の気が引くようだった。 というか、前にも「私にできる事なら何でもします」と言って、散々バスルームで虐められたことがあったのをすっかり忘れていた。 私ってば、何も学習していない……! 拓さんは上機嫌でニコニコとウイスキーを飲んでいる。そして、私は心の中で叫んでいた。 (ぜ、絶倫、再び……!?) *** その後、私達はマンションに戻り、二人で同じベッドに寝た。久しぶりに、拓さんの体温を隣に感じて、とても心地良かった。 次の日は遅めに起きて、午後にホテル・ザ・クラウンにチェックインした。 あっという間に夕方になり、少しずつ外の灯りがつき始める。36階から見下ろす夜景は、本当にロマンチックだった。 二人でディナーを楽しんだ後、お部屋に戻るとベッドの上には薔薇の花びらが散らばっていた。 「わぁ、すごい! 花びらが散らばってて綺麗……」 「美月、これも」 そう言って、拓さんが奥から薔薇の花束を抱えて持ってくる。 「えっ もの凄い量……これ、何本あるんですか!?」 「108本」 「ひゃ、ひゃくっ……!?」 「あはは、美月、言葉失ってるけど」 「だって、びっくりしちゃって。108本の意味は……」 「『結婚してください』」
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