いつも2人で

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昨日バーでプロポーズしてくれたのに、まだサプライズを用意してくれていたなんて……。 「昨日は何も渡せなかったから、今日こそはと思って。あと、これもつけてくれる?」 差し出された指輪には、一石のダイヤモンドが光り輝いていた。薔薇だけでも驚いたのに、指輪まで用意してくれていたなんて。 驚きの連続で、涙腺も崩壊してしまった。 「拓さぁぁぁん……もう毎日泣かせないでぇぇ……」 プハッと吹き出した拓さん。私がズビズビ鼻をすすりながら泣いているのが、面白いらしい。 「美月、泣き過ぎ。ほら、指輪つけて良い?」 「はい、もちろんです」 そう言って左手を差し出した。指輪のサイズもぴったりだった。 「……前の会社でも今でも、付き合ってからも、拓さんにしてもらうばかりで何が返せるんだろう?って思うこともあるんですけど。  私、拓さんが大好きです。これからも宜しくお願いしますっ」 「美月がいてくれるだけで、俺は救われるから。これからも末長く宜しくな」 ニコニコしている拓さんに抱きしめられ、私はふと大事なことを思い出す。 「多分、亮さんは私を認めてくれたと思うんですけど……拓さんのご両親は大丈夫ですかね? お見合い話もあったとか前言ってたじゃないですか」 「あぁ、うちは大丈夫だよ。美月のこともすぐ好きになるだろうし、俺が選んだ人だからって言えば、全面的に喜んでくれると思う。  それより、美月のご両親が俺を認めてくれるかだよな。『娘さんをください!』ってちゃんと頭を下げにいかないと」 「いや、うちの方が大丈夫ですよ。拓さんだったら、息子のように可愛がると思います」 「そうかな? まぁ、その辺は後日挨拶に行くということで……昨日の約束通り、覚悟は出来てる?」 ニヤリと笑った拓さんが、突然私をお姫様抱っこでベッドまで連れて行く。 トサっと下ろされて、突然ちゅっと唇を塞がれた。 「美月、愛してる」 ***
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