ドレスを脱いだら

3/5
前へ
/165ページ
次へ
「新婦・美月、あなたはここにいる新郎・拓を、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」 「はい、誓います」 指輪の交換、ウェディングキス、結婚宣言……と、スムーズに進んでいった。 こうして、信頼のおける大事な人達に祝福された私たちは、晴れて夫婦としての誓いを交わしたーー。 *** 披露宴も終わり、また私達はホテル・ザ・クラウンのスイートルームに宿泊していた。 今回で2度目の宿泊だが、高級感のある客室ということもあって、お部屋に入る瞬間は未だドキドキしてしまう。 「ふあぁ〜〜〜拓さん、お疲れ様でした!!」 ばふっとベッドにダイブする。それを見た拓さんが、笑いながらベッドに腰掛けた。 「はは、美月疲れただろう? 本当今日まで準備とか、ありがとうな」 「いえ、私はそれほど……。会場の予約とか拓さんがやってくれたし、全然ですよ」 「まぁとにかく、無事終わって良かったな」 「えぇ」 話が途切れて、ベッドの上をごろごろする。スマホを見ながら親からのLIMEに返事をした。 その間、拓さんはお風呂を沸かしたり、お茶を淹れてくれている。 「あ、すみません、ゴロゴロしてて……」 「いや、良いんだよ。可愛い妻にはゆっくり休んでてもらいたいし」 「“妻“って改めて言われると……なんか照れますね」
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6608人が本棚に入れています
本棚に追加