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まさかの再会
「南さん、今日は何飲みますか?」
「私はビールにしようかな。向原さんは?」
「じゃあ私もビールで! 金曜夜に仕事以外でお酒が飲めるなんて、すっごく久しぶりです」
「そうだよね、まずは銀座勤務もお疲れ様でしたということで……」
「「かんぱーい!」」
カチンッとビールグラスを寄せ合う。
今日は南さんと、仕事終わりに居酒屋に来ていた。金曜に飲みに行くのは今回が初めてで、とても新鮮な気分だ。
「そうだ、早速なんですけど『本日の田沼さん』聞いてくださいよ」
「お、今日のネタは??」
「前からずっとそうなんですけど、田沼さんって私が出社すると『おはよう』って言いながら、頭のてっぺんからつま先まで、まずはチェックしてるんですよね」
「それは身だしなみの確認ってこと?」
「身だしなみもそうだと思うんですけど、どちらかと言うとファッションチェックですね」
「え〜〜何それ、自分のファッションには凄く自信があるってこと??」
南さんは早速運ばれてきた枝豆を食べながら、「信じられない」という顔をしている。
「まぁうちの会社服装自由ですからね。
私は営業なのでなるべくパンツスーツとか、少なくともジャケットは必ず着用するようにしていますけど。エンジニアさんとかかなりラフですよね」
「うん、私も自由な服装だけど、営業だったら向原さんの今の感じで全く問題ないと思う。田沼さんは何が気になってるの?」
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