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「わぁ、綺麗なカクテルですね。もしかして、ミモザですか?」
「はい、ミモザです。バーが初めての方でも飲みやすく、最初の一杯としておすすめです」
「ありがとうございます! 美味しそうです」
拓さんの目の前にもカクテルが出される。
「拓さん、そのお酒は何ですか? ライムが沢山入ってておしゃれ」
「これはジンリッキーだよ。甘さ控えめで飲みやすいんだ」
「へぇ、ジンリッキーって言うんだ」
「松本さんはいつも一杯目がジンリッキーなんですよ。その後はウイスキーですね」
早速、二人でカクテルを飲み始めた。マスターは他のお客様の対応もあって、二人だけの時間が流れている。
今なら疑問に思っていることも、お酒の勢いに任せて何でも聞けそうだと思った。
「……拓さんは、何で私に好意を持ってくれているんですか? 会社以外で話したのは銀座の数十分ですし、不思議だなと」
「初めて会った日に、美月に一目惚れしたんだよ」
「え、あの日に!?」
(私も拓さんに一目惚れしてたけど、まさか拓さんもだったんだ……)
「実際に話してみても、仕事に対する姿勢とか中身もしっかりした子だなと思った。仕草とか表情を見ていても、可愛らしい部分と大人びた部分があって、見ていて飽きない。もっと知りたいと思うようになった」
「あの短時間で、すごい観察してますね……でも、ドレスを脱いだ後の私は、結構だらしなかったりしますよ?
ホステスの勤務を終えた後、夜中にひとりで牛丼屋に行ったりしてましたし。土日は何もしたくなくて、ぐうたらしてますし」
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