俺様課長と、デート①

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『相手も遊んでそうだし、ああいった場で本気になることはない』 『もっと普通の場所で出会いたい』 「お金に対して強欲そう」 『別に場所は関係ない、好きな人がその人だったから』 色んな意見があったし、本当に人それぞれだと思う。 拓さんの真剣な告白がなければ、このアンケート結果を見て落ち込んでいたかもしれない。 でも、拓さんの行動が全てだと思った。 *** 「……と、言うことがありまして」 「え〜!本当に銀座で男女の出会いがあったなんて!しかも、あの松本さん! そんな運命的なことって、あるんだねぇ」 後日、私の外回りがない日のランチタイムに、南さんに近況報告をしていた。 今日のランチはオフィス近くのレストランで、私はハンバーグ定食、南さんはパスタを頬張っている。 「でも、二人の間に阻むものは何もないじゃない。親がどうとかライバルがいるとか、そう言うのも今の所ないし。  向原さんも一目惚れしてて、松本さんも一目惚れ。奇跡のような両思いで、何に踏み止まってるの?」 「うっ、そうなんですよ。最初の出会いが銀座とはいえ、遊びじゃなくて本気で好いて下さってて。ちょっと最近、色々重なって自分に自信が無さすぎた気がします。前はこんなんじゃ無かったんですけど」 「それは、田沼さんのパワハラとか転職のこととか?」
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