俺様課長と、デート② ※

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俺様課長と、デート② ※

拓さんに話しがしたいと連絡すると、速攻で返事が返ってきた。 今日はちょうど会食など予定がなかったようで、少し残っている仕事を片付けてから集合させて欲しいとのことだった。 いつもより遅めの晩御飯になってしまったが、オフィス近くのイタリアンバルに集合した。チーズや生ハムをつまみながら、他愛もない話から始める。 「拓さん、うちの会社慣れました?」 「あぁ、良い人が多くてやりやすいよ。癖の強い人も何人かいるけど」 「そうですよね、田沼さんに気に入られて大変そうですね」 「あの人は俺の中で要注意人物だな。ちゃんとウォッチしてるから、何かあったらすぐ教えてくれ」 「ふふ、ありがとうございます。正直パワハラが酷くて、ずっとボイスレコーダーつけてるんですよね。あと、社内チャットもスクショ撮ってます」 「そうか…この会社は本当にコンプライアンスも何も無いよな。あの当たりの強さは前から?」 「はい、上司になって8ヶ月くらいですが、ずっと酷くて。ここ最近さらに当たりが強くなってます」 「早めに状況改善できるようにするからな。でも、そんな状況でも、美月はちゃんと新規受注してて凄いな。しかも何件も」 拓さんはかなり多忙なはずなのに、そんな細かい実績まで見てくれていたのかとびっくりする。 「ありがとうございます、受注額も規模も小さいんですけど。そう言って頂けて嬉しいです」 「お客様の信頼も厚いようだし、着実に結果を積み重ねてて偉いと思うぞ」 拓さんに褒められて嬉しい気持ちになりながら、ワインに口をつけた。ふと、今日の本題を思い出した。
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