俺様課長と、デート② ※

3/10
前へ
/165ページ
次へ
早速、高速道路に入り、アクアラインを渡っていく。車内では他愛もない話で、会話が尽きなかった。 「美月って結構お酒好きなの?」 「そうですね、営業になってからお客さんとも飲むようになって、だんだん耐性がついていった感じですかね。  銀座ではウィスキーですけど、本当はカルーアミルクみたいな甘いものが好きだったりします」 「カルーアミルクか、可愛いな」 「あ、拓さん今馬鹿にしたでしょう」 「いや、してないよ。好きなものを大事にしたら良いと思ってる。美月は何飲んでても可愛いし」 「なっ…!よく恥ずかしげもなくサラッと言えますね……」 ぷしゅーっと湯気が出るように、顔をほてらせ、つい下を向いてしまう。 その様子を横目に見ながら、拓さんは「ククク」と喉の奥を鳴らすように笑っていた。 「拓さんはお酒好きなんですか?」 「うーんそうだね、俺は好きだし結構飲める方かも。そんなに酔わないしね」 「それは羨ましいです。私、あんまり飲むと酔っちゃうからなぁ」 「酔うと、どんな感じになるの?」 「酔っ払うと甘えたくなるかもしれないです。なので銀座ではなるべくセーブしてましたけど」 「俺の前では飲ませたくなるな。他のやつに甘えてたら……許せないかも」 「拓さん、怖い」 「はは、冗談だよ冗談」 そんな話をしていたら、あっという間に目的地に到着した。私にとっては念願の「ぞうの国」だ。かなりテンションが上がっていた。 「拓さん、見て見て!象がいっぱいいるみたいですよ!」 「はは、そんなにはしゃいで子供みたいじゃないか。ほらちゃんと手繋いで」
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6592人が本棚に入れています
本棚に追加